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 目 次 |
| ・ 劉漢文先生を偲んで |
| ・ 「星野道夫の宇宙」展を観て |
| ・ 春うらら |
| ・ 未病を治す |
| ・ 法輪功のこと |
| ・ 気功の階段 |
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| 写真をクリックするとアルバムへ |
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6月25日の朝、朱剛先生から珍しく会社に電話がありました。 「劉先生が、・・・亡くなりました・・・」と沈んだ声で、劉漢文先生の逝去を伝えられました。 6月20日15時25分、禅密気功伝人・劉漢文老師は丹東市の病院で永久の眠りに。享年84歳。 あまりにも突然のことで、私は一瞬言葉を呑みました。昨年引退を宣言されましたが、１１月に大連で現役最後の講義をして頂いたばかりで、その時の劉先生のお元気な笑顔が脳裏に焼きついていましたから・・・。 劉漢文先生は、禅密気功唯一の伝人として中原密教を源流とする禅密気功を受け継ぎ、その神秘性、宗教性等を排除した上で、科学的な検証をも加えることにより深化させ、体系化されました。１９５０年代に家伝であった禅密気功の功法を一般に公開し、以来、半世紀近くにわたって中国国内はもちろん、ドイツ、スイス、オーストラリア、シンガポール、香港、日本など広く世界に向けて、禅密気功の普及に力を注がれました。 劉先生に初めてお会いしたのは7年前。当時私は禅密気功を朱剛先生から手ほどきを受けて３年あまりで、「禅密気功伝人・劉漢文老師」は雲上の人、憧れの対象でした。1997年4月30日早朝、中国遼寧省・丹東市の丹東駅の到着ロビー。北京からの夜行寝台列車で着いた私たちを見つけた劉先生が、ニコニコと近寄ってこられて、歓迎の握手をして下さいました。 劉先生の分厚く、柔らかく、ゴツイ掌と握手をした時、眠さが吹っ飛び、全身が心地よくシャンとしたのをハッキリと覚えています。 1998年には、禅密気功を広く世界に広めるべく、中国遼寧省丹東市内の風水の良い小高い丘に「中国禅密学国際研究（丹東）センター」を建設されました。1998年5月に内装工事中であったセンターを案内して頂いた後、屋上に出て一緒に素晴らしい気場に包まれて練功した時の嬉しそうなお顔も懐かしく思い出されます。 「日本が世界の禅密気功の中心になるだろう」、劉先生が常々言われていた言葉です。 「禅密気功の真髄を最も深く極めたのは、朱剛老師です。そして彼が指導した日本の皆さんの気功を見ていると、極めて高いレベルにまで達していることが分かります。現在の中国は、残念ながら気功を自由に広められる環境にありません。私はこれからの禅密気功の中心は、間違いなく朱剛老師と皆さん達が活躍する日本になると思います」。 優しくご自分の子供を見るように朱剛先生を見やりながら話された劉先生の期待がヒシヒシと伝わってきました。実際、丹東、上海、大連で中国、香港、ヨーロッパの禅密気功の仲間たちと交流してみて、劉先生の言葉の意味を実感することが出来ました。 ７年間に、劉先生から教えて頂いた多くの功法、即ち瞑想系上級功法（霊至法、双至法、灌頂法、三密相応、神通法、明心法等）、病の癒しと予防法やその他派生功法（笑之功法等）、そしてそれらを伝える時の劉先生の謙虚で懐が深く、暖かい人間性に接することが出来て、禅密気功の真髄を触れることが出来た気がします。そしてこの経験は、私にとって大切な一生の宝物になりました。 今、私は劉漢文先生、そして朱剛先生への感謝の念でいっぱいです。 これからは、劉先生が遺された禅密気功の素晴らしさをより深く学び、それを多くの人達と享受出来るようしていくことで、劉先生へのご恩に報いることが出来るのではないかと思います。そのために朱剛先生と多くの仲間達と一緒に、禅密気功の「輪」を拡げ、発展させることに貢献していきたいと思います。 劉漢文先生、本当にありがとうございました。 そして先生のご冥福を心からお祈り致します。 合掌 「劉漢文先生の想い出」に、私の持っている劉先生の写真を掲載しました。 (2004/6/25) |
先日、朱剛先生、気功仲間と一緒に、横浜高島屋で開催されていた「星野道夫の宇宙」展を見に行きました。 星野道夫さんは、私が学生時代に感動した動物写真家・田中光常さんの助手をされていたとのことでしたので、「光常ッポイ」写真を期待していました。でも、彼は、動物写真家という枠に収まらず、哲学者、宗教家、生物学者、宇宙物理学者、探検家といった感性を併せ持ち、「写真」という「眼と表現手段」を持った自然写真家だったのです。 そして人が暮らすには厳し過ぎるアラスカに住み、「生きとし生けるものは宇宙という体系の中で輪廻している。」という宇宙感、死生観を身をもって実感し、そこに暮らす生き物達の生き様を、彼の愛情と畏敬の念をもった「心のフィルター」で切り取って写真に収めました。その最期も彼が予感していた（と思う）ように、熊に襲われて宇宙に還っていったのです。 いや〜、本当に感動しました。この感動は、星野さんの心を通して撮った写真と、見る人の心に直接語りかけてくる必要最小限の言葉、そして、それを「星野道夫の宇宙」展として纏め上げた彼のスタッフの協働によるものなのでしょう。 このように、無駄なものを削ぎ落として単純化したエッセンスのみを前面に押し出して表現すると、人の心に直接入りこんで感動させるのだと実感し、何故か涙が出てきました。 会場を出る時に朱剛先生がしんみりと口にされた、「これは＜無為気功＞に通じます。素晴らしいですねえ。」という言葉が、妙に耳に残っています。 (2003/7/7) |
| このところ急速に日差しが長くなり、一雨ごとに暖かくなってきています。春ですね。 我家の庭の木々、花々は日に日に芽が伸び、蕾がふくらんで、自然界のエネルギーがどんどん大きくなっているような気がします。 ウグイスは、２週間前に初音を聴かせてくれた頃は、「ケキョ、ケキョ」と遠慮がちでしたが、このところ急速に上達して、今朝はもう「ホーホケキョ、ケキョケキョ」と完璧にさえずっています。 春の光につられてテニスコートに行きました。同じように陽気につられて来た人が多いようでコートは混んでいました。待ち時間にコートの周りの春を探していたら、ツクシが元気に顔を出しているではないですか。最近は、絶えて久しく見なかったツクシ。感激して、写真を何枚も撮ってしまいました。 ひょいと見上げると、コブシの蕾が「もう我慢できない！」と言っているように、ふくらんでいます。「ああ春だな〜♪」気持も身体もルンルンと弾んできます。自然に身体中の毛穴が開いて、周りの精気を身体中に吸い込んでいました。春の光、木々、草花から萌え出る精気、身体中がリフレッシュしてしまいます。自然に慧功の周通空霊をしていました。自然（宇宙）との一体感を感じた時の恍惚感、心身のストレスがすっ飛んでいってしまいました。 この季節、練功すると、一ヶ月前に較べて格段に気感が高くなっています。気功の階段を上がるのに良い季節ですね。 季節と気功、今後研究したいテーマではあります。 |
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| テニスコートのそばで見つけたツクシ | 同じくコートのそばにコブシの蕾もゲンキ、ゲンキ |
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| 未病を治す。 古来、気功の効用を説明した言葉です。 「未病」とは、いったいどのようなものなのでしょうか？ 現代人は、社会の急速な変化に起因する様々なストレスにさらされており、肉体的、精神的に健康な状態を保つことは、極めて難しくなっています。病気にならないまでも、病気になる直前の「未病」状態、言い換えれば病気予備軍の人が増えています。 このような精神的、肉体的なストレスに起因する不具合、例えば肩こり、腰痛、目の疲れ、不眠症、イライラ、その他の精神的動揺、ノイローゼ、食欲不振、だるさ等々は、「未病」が顕在化したものです。 本来人間には、外敵に対する自己防衛システム（免疫機能、自然治癒力）が備わっています。しかし、上記のような原因で未病状態になると、外敵が侵入してもこのシステムが十分に機能せず、病気になってしまうと考えられています。 例えば、正常細胞が何らかの刺激により、がん細胞に変化すると、本来ならば免疫システムが機能して、癌細胞を攻撃して退治してしまいます。従って、通常は病気になることなく正常な状態に保たれています。しかし、精神的、肉体的ストレスが続いて限界を超えると、このシステムが十分機能できないためバランスがこわれて、癌細胞が増殖し、癌が進行するのです。 では、どうすれば未病を治すことが出来るのでしょうか？ それには、精神状態も含めた身体全体のバランスを良くして、免疫力、自然治癒力を強化することです。そのための手段として「気功」は大変効果があることが知られています。 気功というと、外気功による癌治癒の話とか、人を飛ばすとか、派手な印象がありますが、我々の目指す気功の真髄は、普段から内気功を中心とした気功を生活の中に組み入れた、「気功的生活」を送ることにあります。 これは決して外気功の効果を否定しているわけではありません。私の周りでも、医師から余命数ヶ月と宣告された末期癌患者が、私の気功の師、朱剛さんの外気功により治癒したいくつもの事例を見てきました。また、私自身、ペットを含む家族への外気施治を行って、内科的、外科的な著しい治癒効果を体験してきました。 人による個人差はあるにしても、外気功の効果は、西洋医学の発達した今日においても、決して侮れない顕著なものがあります。 しかし、病気になって外気功に頼るのは、泥棒がはいってから縄をなうようなもので、後追いの対処療法であり、あくまでも非常手段です。その場合も、西洋医学との併用を前提として、身体と精神を全体システムとしてとらえた治療をすべきだと思います。 日常生活の中に自然に組み込まれた健康のための気功の実践、これが「気功的生活」です。いつでもどこでも自然に気功ができる生活習慣。たとえば、歩行中、電車の中、トイレの中、肩が凝ったら仕事中でも、必要な時に必要な気功が自然に出てくる。 このような生活を続けることにより、外敵が侵入できないような強力な防御体制を備えた健全な身体になっていくのです。 気功的生活により「未病を治す」。 気功のエッセンスを表現するに必要十分、ゆっくりと寝かせて醸成したお酒に似た、深い味わいのある言葉だと思います。 (2000/11/3) |
| １９９８年夏の一日、法輪功を習いました。インターネットで受講希望者を募集していたので、オンラインで申し込み、日曜日の朝、渋谷のスタジオ８へ興味津々で行きました。 講師は、東大駒場の中国人留学生、研究者が中心のボランティア５人。受講者は、私一人だけが日本人で、残り１０人程は中国人でした。 功法は、５つからなり、簡単に習得できる割には、バランスが取れており、効果があるなというのが最初の感想。彼らは金銭的には、淡白で、講習は無料、ビデオカセットと法輪功の考え方を李洪志氏が著した天法論の本（インターネットでも無料でダウンロードできる。）合わせて５０００円でおつりが来ました。 ただ、気になったのは、練功時の規範として李洪志氏の「天法輪」という教義が前面に出ていることです。内容は、仏教、道教をベースにした真・善・忍を重視するものですが、李洪志氏の個人崇拝に繋がりかねないものが少し鼻につきました。 その後、「人心を惑わす邪教」だとして中国政府の取締りが強まり、中国での活動は制約されていますが、いまだに世界中に多くの会員がいるようです。 この一連の騒動の原因を考えてみると、法輪功は簡単に健康を維持できるため急速に会員が集まり、一時「会員数１億人」と言われるまでになりました。これは、党員数３５００万人の中国共産党よりも動員力があり、なおかつ共産党の上層部にさえも会員が浸透したこともあり、危機感をもった中国政府が弾圧したというのが真相ではないでしょうか。 この騒ぎの影響で、他の流派の気功も活動が制約されており、文化大革命の時と同様な受難の時を迎えています。 しかし純粋に気功を愛する者としては、政治の世界でもみくちゃにされて、気功の「心身の健康への効果」といった本質論が捻じ曲げられてしまうのがとても辛いのです。 (2000/9/15) |
| 気功を練習していて常々感じるのは、その習熟曲線が直線ではなく、階段状、それもかなり段差のある階段状だということです。 気功を習って、まず最初に上らなければならない階段は、動作を覚えることです。これは、誰でも比較的簡単に超えることが出来ます。次の階段は、気感です。｢気」を感じる感受性には個人差があり、遅い人は何ヶ月もかかり、自信を無くして、やめてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、これも辛抱強く練習していれば、「ある日突然」気が体内を回るのを体感して感激するのです。だれでも気感を持っています。練習により、それを啓発するのです。この階段を上った時の感激はその後のチャレンジの勇気を与えてくれるに足るものです。早い人では一年、遅い人でも三年も真面目に練習を続ければ、「一通りの」功法をマスターすることが出来ます。 しかし、「これで気功を極めたぞ！」と思うたびに、気功の奥の深さを思い知らされるのです。毎日、新しい発見があります。その後の階段はかなり高い場合が多いですが、それを乗り越えた感激は「気功は生涯の宝だ」と感じないではいられないものでしょう。 人間の潜在能力の開発をしているのですから。気功を練習する上で、最も注意しなければならないのは、「焦り」です。 「周りの人は、もう出来るのに自分は･･･。」というのは、よく陥りやすい落とし穴です。焦らないでリラックスして、前向きに練習すれば、必ず実を結びます。 さあ気楽に階段を昇りましょう！ (2000/9/15) |
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